ウェブの基礎

SEOとは何か

記事「SEOとは何か」のイメージ図。格子状に並ぶ点と、中心に重なる二つの円で構成した抽象的な図形。

SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)とは、検索エンジンがページを見つけ、内容を理解し、利用者の質問に対する答えとして選べる状態に整えることです。順位を操作する裏技ではなく、ページが読み取れる形になっているか、内容が質問に答えているか、発信元が信頼できるかという三つを整える地道な作業を指します。この記事では、検索結果が表示されるまでの三段階、最初に確認すべき10項目、そして避けるべきことを順に整理します。

要点サマリーカード

  • SEOは「クロール(発見)」「インデックス(登録)」「ランキング(並べ替え)」の三段階を通過させる作業です。
  • 最初に確認するのは内容ではなく、ページが検索エンジンから読める状態かどうかという技術面です。
  • 順位は誰にも保証できません。公式に説明されている評価の考え方に沿って整えることしかできません。
  • 構造化データは内容を説明する手段であり、追加すれば順位が上がるものではありません。
  • 生成AIによる回答が表示される場面でも、必要な前提は「検索結果に表示できる状態であること」で変わりません。
  • 効果の確認は Google Search Console の実データで行い、外部ツールの独自スコアは参考値として扱います。

SEOという言葉の意味

SEO は Search Engine Optimization の略で、日本語では検索エンジン最適化と訳されます。対象は検索エンジンそのものではなく、自分が管理しているページです。検索エンジン側の仕組みに手を加えることはできないため、SEO とは「読み取られる側を整える作業」だと考えると誤解が減ります。

整える対象は大きく分けて二つあります。一つは、機械が読み取るための技術的な条件です。もう一つは、読んだ人が求めていた答えにたどり着けるかという内容の条件です。どちらか一方だけでは成立しません。技術的に完璧でも中身がなければ選ばれず、内容が優れていても読み取れなければ候補にすら入りません。

検索結果が表示されるまでの三段階

検索エンジンは、ページを次の三段階で処理します。どの段階で止まっているかを特定できると、対処の順番が決まります。

三段階と、それぞれで確認すること
段階何が起きているか止まっているときの主な原因
クロール検索エンジンのプログラムがページを訪問し、内容を取得します。リンクがどこからも張られていない。robots.txt で拒否している。サーバーが応答しない。
インデックス取得した内容を解析し、検索対象の一覧に登録します。noindex が設定されている。内容が他ページとほぼ同一で、別ページが代表として選ばれた。
ランキング利用者の質問に対して、登録済みのページを並べ替えて表示します。質問との対応が弱い。同じ質問により適した情報源が他に存在する。

順番が重要です。クロールされていないページはインデックスされず、インデックスされていないページは何位にも並びません。順位が付かないと感じたときは、まず登録されているかどうかを確認します。確認は Google Search Console(新しいタブで開きます)の URL 検査機能で行えます。

クロールを妨げないための基本

ページ同士がリンクでつながっていることが前提になります。ナビゲーションやリンクを JavaScript の動作だけで作っていると、リンクとして認識されないことがあります。移動先がある要素は、a 要素と href 属性で書くのが確実です。

また、表示に必要な CSS や画像を robots.txt で拒否しないでください。拒否すると、検索エンジンは人が見ている画面とは違う状態でページを解釈します。robots.txt の役割と書き方は Google の公式ドキュメント(新しいタブで開きます)で公開されています。

インデックスの判断は自動で行われる

内容がほぼ同じページが複数ある場合、検索エンジンは代表となる一つを選びます。どれを代表にしたいかは link rel="canonical" で伝えられますが、これは指定であって命令ではありません。最終的な判断は検索エンジン側が行います。

SEOを構成する三つの柱

実務では次の三つに分けて点検すると、抜けが減ります。

1. 技術(読み取れる状態か)

ページが正常に応答するか、正しい URL が一つに定まっているか、携帯端末で内容が欠けていないか、表示が極端に遅くないかを確認します。ここは正解がはっきりしている領域なので、最初に片付けます。

2. 内容(質問に答えているか)

検索する人が何を知りたくて、その言葉を入力したのかを考えます。同じ「価格」という語でも、相場を知りたい人と購入したい人では必要な情報が違います。ページの構成は、想定する質問に対する答えの形で作ります。

3. 信頼(誰が書いたか分かるか)

運営者が明示されているか、連絡手段があるか、情報源が示されているか、更新日が実態と一致しているかといった点です。特に健康、金銭、安全に関わる内容では、この部分の重みが大きくなります。Google が公開している 検索の基本事項(新しいタブで開きます)にも、利用者にとっての有用性が繰り返し示されています。

最初に確認する10項目

新しくサイトを作った直後、あるいは何から手を付けるか決めかねているときは、次の順に確認します。上から順に、影響が大きく、かつ判断が明確な項目です。

  • 公開したページが、ブラウザで正常に表示され、エラーになっていない。
  • 各ページに、内容を表す固有のタイトルが付いている。
  • 同じ内容のページが、複数の URL で同時に表示される状態になっていない。
  • 各ページに自分自身を指す canonical が設定されている。
  • 携帯端末で、パソコンと同じ本文・見出し・画像が表示される。
  • robots.txt が、表示に必要なファイルを拒否していない。
  • サイトマップに、登録してほしいページだけが並んでいる。
  • 主要なページへ、他のページからリンクが張られている。
  • 画像に、内容を説明する代替テキストが設定されている。
  • Search Console に登録し、インデックスの状況を確認できる。

この10項目は、順位を上げるための施策ではありません。評価の土俵に乗るための前提条件です。前提が欠けたまま内容だけを増やしても、成果は安定しません。基本的な考え方は SEO スターター ガイド(新しいタブで開きます)にまとめられています。

表示速度と操作性の指標

ページの体験を測る指標として、Core Web Vitals と呼ばれる三つの数値が公開されています。実際に訪問した利用者の環境で測った値のうち、全体の75%がその値以下に収まる水準(75パーセンタイル)を基準に判断します。

Core Web Vitals の指標と良好とされる水準
指標測っているもの良好要改善
LCP最も大きい要素が表示されるまでの時間2.5秒以下2.5〜4.0秒
INP操作してから画面が反応するまでの時間200ミリ秒以下200〜500ミリ秒
CLS読み込み中に表示位置がずれる量0.1以下0.1〜0.25

INP は、2024年3月12日に FID(First Input Delay)に代わって Core Web Vitals の指標となりました。古い資料では FID が使われていることがあるため、日付の新しい資料を参照してください。各指標の定義は web.dev の解説(新しいタブで開きます)で公開されています。

注意したいのは、これらの数値が良いだけで上位に表示されるわけではないという点です。体験の良さは評価の一部ですが、質問に答えていない内容を補うものではありません。

構造化データの位置づけ

構造化データは、ページに書かれている内容を機械が読み取りやすい形式で補足する仕組みです。記述形式は JSON-LD が推奨されています。役割は「説明」であって「主張」ではないため、ページに表示されていない情報を書いてはいけません。

もう一つ押さえておきたいのは、構造化データの種類には移り変わりがあるという点です。かつて検索結果に特別な表示を生んでいた種類のうち、現在は表示対象から外れているものがあります。導入前に、その種類が現在も対象かどうかを 検索ギャラリーの一覧(新しいタブで開きます)で確認してください。

構造化データを追加しても、特別な表示が出ることは保証されません。表示するかどうかは検索エンジンが判断します。

生成AIによる回答との関係

検索結果に、生成AIがまとめた回答が表示される場面が増えています。ここで特別な技術要件が新しく増えたと考える必要はありません。前提は従来と同じで、ページが検索対象として登録され、内容の一部を引用できる状態にあることです。

逆に言えば、noindex を設定している、抜粋の表示を強く制限している、ログインしなければ読めないといった状態のページは、通常の検索結果にも生成AIの回答にも現れにくくなります。抜粋の制限をかける場合は、その影響も含めて判断してください。

「生成AI向けの専用ファイルを置けば有利になる」といった説明を見かけることがありますが、Google 検索がそうしたファイルを使用しているという公式の説明はありません。特別な近道を探すより、質問に対して過不足なく答える構成にするほうが確実です。

避けるべきこと

検索エンジンは、利用者をだます目的の手法をスパムとして扱います。次のような手法は、短期的に数値が動いても、後で大きく下落する要因になります。

  • 同じ語句を不自然な頻度で繰り返す。
  • 背景と同じ色の文字などで、利用者に見えない文章を埋め込む。
  • 検索エンジンと利用者に別々の内容を見せる。
  • 内容がほとんど同じページを、地名や語句だけ入れ替えて大量に作る。
  • 順位を目的にリンクを売買する。
  • 他サイトの文章をそのまま、あるいは語句だけ置き換えて掲載する。

これらは自動化ツールを使ったかどうかとは無関係に判断されます。生成した文章を人が確認せずに大量公開する運用も、同じ問題を抱えます。

効果の測り方

効果の確認は、推測ではなく実データで行います。Search Console では、検索結果に表示された回数、クリック数、平均掲載順位、対象となった検索語句を確認できます。

見るときは、次の順で切り分けます。

  1. 表示回数が減ったのか、クリック数だけが減ったのかを分けます。
  2. 変化がサイト全体か、特定の階層か、少数のページかを確認します。
  3. 期間を16か月まで広げ、季節による変動と区別します。
  4. 手動による対策の通知が届いていないかを確認します。

外部のツールが表示する独自の「サイト評価スコア」は、検索エンジンが使っている値ではありません。傾向をつかむ目安としては役に立ちますが、判断の根拠にはしないでください。

よくある誤解

SEOには、根拠が確認できないまま語り継がれている説明がいくつかあります。次の表は、よく見かける言い方と、公式情報から確認できる実際の考え方を並べたものです。

誤解されやすい点と、実際の考え方
よくある誤解実際
特定のキーワードを何%含めると順位が上がる。そのような比率は公表されていません。不自然な繰り返しはむしろ問題になります。
meta keywords を書くと評価される。Google 検索では使われていません。
robots.txt で拒否すればページを隠せる。拒否するのは取得だけです。隠したい場合は noindex やアクセス制限を使います。
更新日を新しく書き換えれば評価が上がる。内容が変わっていない更新日は、信頼を損ないます。実際の変更時のみ更新します。
ページ数が多いほど強くなる。価値の薄いページの増加は、サイト全体の評価にとって不利に働くことがあります。
表示速度さえ改善すれば上位に行ける。体験は評価の一部です。内容の質を置き換えるものではありません。

この記事の範囲と限界

本記事は、検索エンジンの公開情報をもとに、初めて SEO に触れる方向けに全体像を整理したものです。検索エンジンの仕組みは継続的に更新されるため、実装の前に必ず公式ドキュメントの最新版を確認してください。

また、本記事は特定のサイトの状況を診断するものではなく、順位や成果を保証するものでもありません。METABINARY は SEO の代行、コンサルティング、個別の診断を行っていません。掲載している外部リンクは参照先を示すためのものであり、当社と各運営者との間に提携関係はありません。